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あとがき

 この度は「トルムチルドレン」を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
 皆様の心の中に何か一つでも訴えかける物が残ると、嬉しいです。

 今回は初めてのSF設定でした。これまでは恋愛小説一辺倒でしたので、書けるかどうか不安でしたが、設定こそSFですが、結局はヒューマンドラマ(時々恋愛)に終始した、という感じでしたね。
 これまで書いてきた小説でも、いくつもの「死」を扱ってきましたが、今回は「決められた死」が題材でした。あなたに残された時間がわずかだったら、どうしますか? あなたに残された時間が膨大な時間だったら、どうしますか? 作中でも出てきましたが、「ホスピス」の考え方に近いような気がします。肉体的、精神的な苦痛を排除して、暖かな最後を迎える。もし、つい目と鼻の先まで死が迫っている事を知ったら、暖かな最後が迎えられる方が絶対に良いですよね。ですので、癌による全身の痛みに対して、その緩和措置もとってやれないようなトルチルの世界は、絶対にあってはならいような気がします。
 さて、作中に何度も同じ名字が行ったり来たりした事にはお気付きになられたでしょうか? 安楽死で医師免許を剥奪されてしまった医師は、父母をトルチルとして50歳で亡くした良平君の大人の姿です。また、最後のお話で香苗と結婚したの木下君は、朝長さんと医学部の木下君との間にできた子供が、大人になった姿です。他にも少しずつ繋がっている物語が有ります。その辺りも楽しんでいたければと思って書きました。
 医学的見地でも、作り話としても、とても無理のある設定かもしれませんが、あくまでもサイエンス「フィクション」だと思ってご容赦ください。

 いつも博識Wikipedia先生に感謝します。

SO-AIR


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